うわっ…東京の抗体獲得率、低すぎ…?

はい、タイトルは釣りです。イラストやの万能感たるや・・・

 

以前言及した抗体獲得率、おもわず口を覆ってしまうレベルでした。前に500人で調べた結果がなかなか公開されませんでしたが、そのときも予想上に低い獲得率でした。念には念をいれて2つの方法で試したということなので、これが真値に近いのでしょうか。NY1520%  ストックホルムで25% 程度イタリア北部ベルガモ県では60%近くという数値に比べるとなんとも牧歌的な値です。検査方法が異なっているようですし、そもそも異なるウィルスなのかもしれません。正しい値が、わかったところで素人ができることは手洗いマスクくらいしかありませんね。

 

免疫機構というのは不思議なしくみです。故多田富雄先生の「免疫の意味論」を初めて読んだときの衝撃は今でも覚えています。自己と非自己は免疫という複雑なシステムの平衡によって成り立つという議論は、「自己とは何であるのか」という根源的な疑問を止揚する視点だと思います。そう考えると、この世は様々なレベルでの免疫システムのネットワークの上に成り立っているようにみえます。ウィルスという存在もとても不思議です。ウィルスは生物なのか無生物なのかは扱う分野によって変わります。自己と世界を区切る細胞壁をもたず、呼吸も代謝も行わず、ただ他の生命に寄生して自己複製をしつづける以外に目的を持ちません。バイオマシンですね。いまある生命はウィスルと共存し、その一部を取り入れ変異をしてきたともいわれています。自己と非自己がせめぎ合う接点にウィスルは存在し、免疫を潜り抜け自己に溶け込むことで生命は変わり続けているのかもしれません。

 

メタヒューリスティクス分野でもウィルス進化論や免疫的アルゴリズムなど、この不思議で複雑な機構を工学的応用に生かせないかという試みはありますが、この圧倒的な不思議さの片鱗に触れるか触れないかのことしかわかっていません。